樹脂サッシ YKKAP APW330 (樹脂スペーサー)の家に住んでみての感想。

YKKAP

今回は窓のお話です。

家を建てる際のコンセプトとして「断熱性能を上げて快適な家」に、という思いがありました。

 

実家で生活していた時は、窓は昔ながらのアルミサッシに1枚ガラスでした。断熱性能は無く、夏は暑く冬は寒いという典型的な日本家屋で、暖房をつけると窓が結露するという状態でした。

その後、結婚してアパートに住むことになりましたが、そのアパートは複層ガラスのアルミサッシでした。断熱性能はそこそこで冷暖房には特に不満はありませんでしたが、冬場はサッシのアルミ部分が大量に結露しカビも生えた事もあった位でした。

そういった事もあり、新しい家を建てる際には結露しにくい窓にしたいと感じるようになりました。

 

なぜ窓に結露が発生するのかというと、上記画像を参考に見てもらえば分かりやすいかと思いますが、外気によって窓が冷やされ、室内側まで窓が冷えてしまうと室内の空気が冷やされ、空気中の水蒸気が水となって表面に出てきてしまうのです。

それを防ぐためには、外気の熱を室内に通さない様、断熱性能の高い材質を使う事が大事です。

素材としての断熱性能はアルミが最も悪く、次にガラス、樹脂、壁(断熱材)と続くので、サッシのアルミ部分が結露しやすいことになります。

壁は断熱性能が良い方なので中々結露しませんが、実家では壁であっても断熱材はほとんど入っていないので、冷え込みの激しい冬場ですと壁も結露したりします。

ですので、断熱性能の良い素材を使い家を建てる事が、結露を防ぐ方法となります。

また、断熱性能を上げる事によって、外気温に左右されにくくなり保温効果もあがるので、ひいては省エネにもつながり、冷暖房コストを抑える事にもつながります。

窓の断熱性について

家の断熱性能を考えた際に、一番弱い所は「窓」です。

壁や天井は断熱材を入れるので、断熱性を確保しやすいですが、窓は外の光を取り入れる、開け閉めするという機構や使用する素材でどうしても断熱性や気密性が下がります。

ひと昔前の日本(特に温暖な地域)ではアルミサッシに単板ガラスの窓が主流で断熱という考えは皆無でしたが、近年では省エネなどの流れもあり、サッシメーカーも窓の断熱性に力を入れてきており、今までのアルミ素材から断熱性に優れた樹脂サッシが主流になってきつつあります。

といっても、元々アルミサッシの大手メーカーが多いためか、製造コストとの兼ね合いもあるかと思いますがアルミと樹脂の複合サッシというのが、現在の所の主流であると思います。

ですので、樹脂サッシはまだコスト的には少しかかりますが、快適な家を作る為に、断熱性能の一番弱い部分を底上げするにはコストをかけても良い所だと思います。

YKKAP APW330を選んだ理由

まず、国内のサッシメーカーはYKKAP,LIXIL,エクセルシャノン等がありますが、自分はYKKAPを選びました。

(海外メーカーはコストや維持管理の面で選択肢から外しました。)

YKKAPを選んだ理由は、コレと言って明確な理由はありません。なんとなくです。しいて言えば昔から窓はYKKAPといったイメージがあったので、それだけで選択しました。

 

サッシの種類については断熱性能を確保する為、樹脂サッシにすると決めていたので樹脂サッシ以外のものは最初から選択肢に入れていませんでした。

YKKAPの商品の中で樹脂サッシで商品を探すとAPWシリーズの430、330があります。

断熱性能で言えば間違いなくAPW430が良いのですが、見積もりを取ってみたところ、結構な金額でしたので断念しました・・・。(やはりフラッグシップは良い値段しますね。)

また、比較的温暖な和歌山という地域性(省エネ地域区分で見ても8段階中の6番目と比較的緩い地域)なので、そこまでハイスペックな性能は必要ないかと判断し家にかけられるコストを鑑みてAPW330を選択しました。

北海道や東北地方の寒冷地になってくると、断熱性能の差が大きくでてくるかもしれません。

あとはサッシの色がAPW330だと内装色を選べるのですが、APW430だと白一色しかない(2018年時点、現在は黒も追加されています。)というのもひとつの要素でした。

住んでみての感想

まず、住んでみての感想ですが、一言で表すと保温性が非常に良いという所につきます。

もちろん壁等の断熱性能との兼ね合わせもありますが、外から家の中に入ると保冷庫というか保温箱の中にはいる様な感じです。

特に春や秋など日中暖かくて夜が冷え込む時は、日中に暖められた空気が冷めない為、保温効果を十分感じることができます。

反面、デメリットとしては暑すぎる場合もなかなか冷めないのでそういった場合はエアコンを入れてしまう頻度が増えています。

 

今回建てた家は1階がリビング、ダイニング、キッチン、和室が一つながりの空間となっていますが、断熱性が良いのでエアコン1台で十分冷暖房が賄えます。

 

気になる光熱費についてですが、今回建てた家にはHEMS(Home Energy Management System)を導入しましたので、参考に電気使用料のグラフを掲載します。(金額は家の状況や、電気の契約プラン等によって変わるのであくまで参考程度です。)

夏場や冬場は冷暖房の為、24時間エアコンを入れていますので、上のグラフでは春や秋の電気代は約10,000円なのに対し、夏や冬は16,000円程度になっています。

エアコンで1月あたり6,000円かかっていて、1日あたりに直すと約200円になります。この金額であれば、暑さや寒さをガマンせずにエアコンを付けている方が精神的に良いかなと思うところです。

 

結露についてですが、真冬で外気温が0℃を下回る位になると、加湿器をかけてる部屋や寝室で寝た場合など室内の湿度が高い場合はガラス部分の下の方に少し水滴がついてしまいます。

樹脂スペーサーのペアガラスにしましたが、どうしても窓枠やスペーサーから熱が逃げてしまう為、その周辺のガラスが結露するようです。

とはいっても、常にびしょびしょに濡れている分けでもなく、少し水滴がつく程度ですのでほとんど気になりません。

 

あと気になる点で言えば、縦すべり・横すべり窓などの開くタイプの窓は良いのですが、引き違い窓は構造上、密閉するのが難しい為、外の音が少し聞こえやすい気がします。といっても不満に思う程度ではなく比較したら気になるといったレベルです。

 

まとめ

・省エネ地域区分6の地域では不満に感じない断熱性能

・冷え込みの激しいに加湿暖房すると若干ではあるが結露する。

・アルミと樹脂の複合サッシと比較するとコストアップではあるが、3層ガラスのハイエンドサッシと比較すると費用を抑えられかつ、省エネ効果による光熱費の節約にもなり、コストパフォーマンスが良い。

 

窓は家に付属する建材の中でも長い期間使用し、なかなか交換しにくいものです。しかも性能差が快適性や光熱費に直接影響してくるものですので、初期費用だけではなくランニングも含めたトータルコストで選定して行くと良いかと思います。

以上の様な感じで、個人的にはAPW330を選んで非常に満足していますし、条件に合う方であればオススメできる商品ですので、この記事を読んでくださった方の参考になれば幸いです。 

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