前回まではステアリング内部に入れる電子部品のお話でした。
今回からはステアリング外側についてです。
3Dプリンターで作ろうと思ったきっかけ
DIYステアリングを作る場合オーソドックスなやり方としては、1枚の金属やカーボンの板にボタン用の穴をあけて、グリップを取り付けるというのが標準的な方法かと思います。
以前にもステアリング改造をDIYでやっていましたが、アルミ板を加工してスイッチを取り付けという作業でした。しかし、DIYでアルミ板加工となると、なかなか綺麗に作る事ができませんでした。(綺麗に作るにはCAD図面を起こして、レーザーカットを業者依頼するなど手間をかける必要がありました。)
最近では3Dプリンターが安く手に入るようになり個人でも自由に設計モノづくりができるようになりました。他の人の作例も見ていると、自分も久しく設計もしていなかったので(機械系出身なので)、3Dプリンターにチャレンジしてみたくなりやってみようと思いました。
3Dプリンター選び
3Dプリンターでステアリングを作ることに決めた訳ですが、まずは肝心のプリンターを購入する必要があります。
まずは造形方式についてです。3Dプリンターの造形方式にはいくつかありますが、今回は機器が安く購入でき、仕上がり品の強度が確保しやすいFDM方式(Fused Deposition Modeling/熱溶解積層方式)にしました。
次にベッドの大きさです。一番安価な2万円代の機種だとX軸、Y軸のストロークが約200mmしかありません。
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ステアリングを作るには少し小さいというのがネックです。(分割構造で作れば作れなくもないですが、設計が複雑になったり強度の不安が出てきます。)
ハンコンステアリング径は約300mm(市販車並なら350mm)。今まで使用していたT-GTのステアリング径が280mmだったので、今回つくるステアリング外径も280mmで設計しようと思います。
ですので、今回は300mm以上のストロークを持っている機種を条件に探してみました。
300mm以上のストロークを持っていて安価な機種となるとそんなに選択肢がないのも実情みたいです。初心者向けの機種となるとEnderシリーズかANYCUBICあたりが選択肢として良さそうです。
Enderシリーズも安くて良さそうでしたが、カスタムしないといけない部分も多そうだったので、標準でも品質の安定しそうなANYCUBIC Mega Xを購入することにしました。
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簡単に購入するにはamazonで購入するのがよさそうですが、公式ページからでも購入できそうでした。
セール時期やタイミングにもよるかもしれませんが、amazonの方が安かったり公式ページの方が安かったり値段変動が結構ありそうです。
自分の場合は、そんなに急いでなかったので価格の安かった公式ページから注文しました。(中国のメーカーなので、中国発送になり輸送期間がかかると思ったので)
注文には住所の英字入力やPaypal決済など一手間必要です。この辺は海外製品の購入をやっていれば慣れてくる所かと思います。
組立~テストプリント
注文から1週間程度、一度住所入力がシステムで対応しきれないので教えてほしいと英語メールで連絡ありましたが、それっぽく回答したら無事に届きました。発送元は大阪の住所だったので国内に在庫があればすぐ届くみたいです。
ANYCUBICは半完成品で届くので、組み立てにもそんなに時間はかかりませんでした。(1時間程度)
また組立や印刷に必要な工具類も一式入っているので非常に親切なパッケージングです。
また下位機種ではオプション購入が必要なガラスベッドやカスタマイズしないとつかないY軸のテンション調整機構(X軸は無し)など、価格は少し高めですがストロークの増加分以上に仕様が良いので、下位機種をカスタマイズするよりも、Mega Xを選択するほうがお得なのではと思ってしまう内容です。
ベッドの高さだしも説明書を見ながら完了です。ベッドは中央部分が約0.1mm盛り上がっていて完璧な平面度が出ていないので多少妥協が必要でしたが価格帯を考えると十分かと思います。
テスト用フィラメントも1kgついてくるので購入したらすぐプリントできるという親切さでした。
付属のSDカードにテスト印刷用のデータが入っているので試しプリントしてみます。
プリントが始まると少しワクワクしてしまいますね。
という訳で無事にテストプリントも終わり、3Dプリンターが使える状態になりました。
今回は特に必要なストローク量が分かっていたので機種選びはしやすかったと思います。
購入後も特に問題なく動作もしましたし、致命的な欠陥もなさそうなので初めての3DプリンターとしてはANYCUBICは良い買い物でした。
詳細な使い勝手などは次回以降で書いていこうと思います。