前回は3Dプリンターでの部品印刷でした。
今回は印刷した部品を組み立てていく作業に入ります。
プリント部品のサポート除去
前回プリントした部品のサポート剥がしと糸引き取り等、仕上げ処理をしていきます。サポートは無事に剥がれて部品本体の姿が表れました。
細かく見ると糸引きが結構あります。3Dプリンターの設定で緩和されるのでしょうが、そこまで設定を詰め切れていなかったので仕方ないですね。
ちまちまと糸取り作業をしていきます。
一部、オーバーハング角度のキツイ所の角が造形崩れしています。原因はオーバーハング部分印刷時に樹脂が冷却されて反るのが原因ですが、解消するにはオーバーハング角度を少なくするしかありません。ですが、この部分を大丈夫な角度にしても他の部分にしわ寄せがいってしまいそちらの造形が不安定になってしまいます。これだけ大きいものだとどうしても無理がかかる場所が出てくるのも仕方ないですね。
とりあえず自分で使うものなのですし、使用上特に問題もないのであまり気にせず使いたいと思います。
表面処理が終わって重さを量ってみます。本体が312g、サポートを含めると約500gの印刷だったかと思います。新品フィラメントが1kgなので、1kgで2回プリントするのは厳しい位の大きさですね。
ハブ側も仕上げ処理をしていきます。
サポート込みで621g、こちらの方が強度がいる分、厚みを持たせているので重量があります。
こちらも同様にサポート剥がしをしていきます。
ハブ側は形状も単純ですし、表に見える部分も少ないので気にするような形状崩れはありませんでした。
サポートを剥がしたあとの重量です。約130gがサポートとして付いていたことになります。
ステアリング本体が出来たので組立に入ろうと思います。
組立て
本体にスイッチ関係を取り付けていきます。電子部品関係はほとんど秋月電子通商で購入しました。
スイッチ類も一つの単価は安くても、数が増えてくるとコストが一気に高くなってしまうのでなるべく安い部品でそろえることにしました。
スイッチ類はいくつか種類を見てみて選定しました。(使用したのは一番左側のマイクロスイッチ(パドル用)と赤いカバーのついたタクトスイッチです。)
プッシュボタンはクリック感が欲しかったのでタクトスイッチを選んでいます。
ロータリーエンコーダーはもう少しクリック感があるものが欲しかったのですが、コスト重視で安いモノを選択しました。1個\80です、11個も使うのでそれでも\880。クリック感の良いやつは1個\500ほどするので数を揃えると結構な金額になってしまいます。
ダイアルはカラーのシルクフィラメントを使用して製作しました。単色で作るよりも雰囲気が出て良い感じです。
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ステアリングに部品を組付けていきます。
部品との隙間は3Dプリンターのプリント精度から考えて部品に対して片側0.5mm程大きくプリントしています。(後から干渉箇所を削る方が大変なので)
ロータリーエンコーダーは標準のネジで固定しています。
液晶ディスプレイ、LED、プッシュスイッチは固定用のネジ等が無いので、固定部品を別途作り固定するようにしています。ネジは樹脂に対してはタッピングビスを使用していますが、締め付けトルクをかけすぎると樹脂側のネジ山がなくなってしまうので注意が必要です。
液晶ディスプレイとLEDの固定具を取り付けたところです。固定具が結構大きく場所をとる為、スペースを効率よく使用するため、基板の固定部品としても活用しています。
スイッチ類も固定&配線していきます。スイッチに導線をはんだ付けしてコネクタを付ける作業、一つ一つの作業は大したことなくても、数が多いので結構時間がかかります。
表側の配線が完了しました。スイッチ数が多いと結構ゴチャゴチャしてしまいますね。これをすっきりさせるにはプリント基板を作れれば良いんでしょうが、自分にはそこまで技術が無いので現状はこの辺で妥協したいと思います。
ハブ側はこんな感じです。
こちら側は至ってシンプル。パドル用のスイッチとUSBハブを取り付けているだけです。写真にはクラッチパドル用のアナログ抵抗の配線が映ってませんがあと2系統分入ってくる形になっています。
ハブ側のパドルを取り付ける前です。すっきりとした見た目です。全体的に10mm位の厚みを持たせています。上部は配線の逃がし空間で強度を確保しづらかったので太めの補強リブを付けています。
パドルの組立途中の写真を撮っていなかったのでいきなり完成形です。デジタル4+アナログ2の6パドル仕様です。
動作にはネオジム磁石を使用しています。市販のステアリングも最近は磁石タイプが増えてきています。バネを仕込まなくて良い分設計も楽ですし、程よいクリック感が得られるので良い感じです。
配線作業が終わったら組み合わせます。配線は3DCADでモデリングするのも難しいのでスペース確保は頭の中でイメージしながら空間を作りました。ですので、余裕がある所もあれば干渉ギリギリの所もあったりします。決まった形でないものに関しては3DCADも考えて使う必要があるかと思います。
ネジで締め付ければ組立完了です。
ダイヤルをカラーのシルクフィラメントで作ったのがアクセントになっていい感じです。
左側の親指付近の1か所だけボタンではなく十字スティックにしているので上下左右の操作が可能です。
ステッカー貼り
ステアリングは完成しましたが、黒一色だと寂しいのでボタン表示を作っていきます。
使用するのはA-ONEの手作りステッカーを使用します。そんなに面積は必要ないのでハガキサイズを使用します。
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イラストレーターでデータを作成してプリントします。思いのほか精度の良い印刷で綺麗な仕上がりになりました。
ステッカーは1枚ものですのでボタンの形に合わせて切り取って貼っていきます。
シールを貼り終わったらついにステアリングの完成です。
構想→設計→製作まで約3か月、なんとか形にすることができました。自分の現状できる範囲の事を全て注ぎこんだものが出来ました。
といっても、まだステアリング本体の組立てが終わったところですので、コックピットへの取り付けやディスプレイ等の設定しなければなりません。
取り付け等についても書いていきたいのですが、この記事も長くなってきたのでこの後の作業については別に記事を書いていこうと思います。